No.39

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No.39 世の中?が多すぎる

2008.10.15

 テレビで見ました。
 ・実体経済規模の4倍にもなる2京2千兆円の金融経済規模。
 ・高等な金融工学を駆使した証券化商品、ファンド等の破綻。
 ・それら金融商品の価値の評価、縁の見えない拡張性。
 ・信用創造とレバレッジにより膨れ上がったバブルの崩壊。
 ・実体の裏打ちのない欲の金融ゲーム。
 ・デリバティブによる膨大な利益の獲得と駄目になったら公的資金。

 一体どうなっているのでしょう。いまのところ株価の大変動ほどの実体経済の変動はないにしても近い将来今回の金融恐慌に巻き込まれるのは見えています。ゲームの後の寂しさ、人の欲深さと愚かさを感じます。

 銀行に資本注入し流動性を確保することは必要なんでしょう。錦の御旗は世界金融システムの維持なんですから誰も反論し難いですよね。弱者は単に大きいもの、強いものに飲み込まれます。金融は字の如く有るところから無いところに融通するものです。それはあくまで実体経済の発展、成長をサポートするものであるはずです。それが今やGDPの数倍の大きさでゲームとして闊歩しています。金融立国って成立するものなんですか。

 好きな経済評論家のリチャードクー氏が最近「日本経済を襲う二つの波」を出版しています。書後半で日本人が閉塞感を持ちいつまでも幸福感を味わえない原因を考察しています。原因は住宅を耐久消費財として捉え、30年に1回建て替えなければならない構造にあるのではないかと書いています。欧米諸国は住宅は半永久ものでいつまでも価値の減耗がなく、中古市場が発達しているが、日本では消費財であるかぎり建て替え=リセットが生じ、いつまでも冨の蓄積が出来ないと。その結果欧米よりもフローの所得が多くても幸福感が得られないのではと言った趣旨のことを書いていました。なるほどなと思いました。日本人は金融資産については溜め込みますが家については世代を超えて使うと言う発想がないように思います。

 これから財政の登場になるかと思いますが、どうせやるなら日本の、また日本人の発想を変えるような政策が必要かと思います。今回の世界金融恐慌を目の当たりにし、一度ゆっくりと考えた方がいいように感じます。大きく言えば日本の国の形を、仕事の形を、生活の形を。最後は自分にとっての最上の価値とは何かを考え直すいい機会を与えてくれたと負け惜しみを含みながら私自身は理解しています。