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No.27 バランスを保つこと

2007.3.23

 新潟大学教授安保徹先生の免疫療法に関する数冊の書物を読みました。安保先生が提唱する「白血球の自律神経支配の法則」には納得しました。ストレスが自律神経(交感神経と副交感神経)に影響を与え、その結果として白血球中の顆粒球とリンパ球の成分構成比が変わり罹病するという考え方です。

 白血球中のリンパ球と顆粒球が適正な構成比を保つことが予防医学上有用であり、癌に罹病しても食生活を始め生活全般に亘りストレスを抑制することが良い影響を与えうると示唆されています。科学的、専門的にはよく分かりませんが人間の精神に与えるストレスの負荷が白血球の成分要素のバランスを壊し病にするという説明は納得できるものがあります。人間の体は何とも言えないバランスの上に成り立っているものですね。

 副交感神経を刺激しリンパ球の数を増やすのを自らの意思でできることは“呼吸”と“食べること”だけのようです。呼吸法を学んだり楽しく食事することは大切なことだと認識されます。

 今まで意識もしなかったのですが、自律神経と白血球の連動性により人間は芸術的ともいえる要素のバランスの上に成り立っていると考えられます。あたかも宇宙全体が、また太陽系地球が神秘のバランスの上に存在しているように。

 ストレスが器質に与える影響を受け入れるならば、バランスの重要性を再認識する必要があるかもしれません。人間の行動には表と裏、本音と建前、偽善と偽悪など言葉は違えど一方に偏ることは「普通」と比べると無理が生じます。それでは長続きしません。

 「過ぎたるは及ばざるが如し」古来伝承の言葉には真理があります。

 社会活動においては、ありとあらゆる相反する問題がでてきます。バランスをとるとは、相反する問題の中間値を求めることではないでしょう。思考過程において一方に偏ることなく出来れば副交感神経を刺激するようなストレスのない心地よい解決がなされればうれしい事です。