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No.14 調剤薬局経営を考える(その1)

2006.5.29

 調剤薬局の経営は本当に難しい。病院、診療所等と同様に医療機関であることより、直接人の生命に関与している事業であり投薬ミスは致命的なもので一度たりともあってはならないという緊張感の中で毎日仕事をしないといけません。この様な本来業務遂行の上での難しさとは別に経営上の難しさも抱えています。

 薬局業が許可事業である限り、関係法令、関係通達、指導に縛られることが多く、経営の弾力性は他の業種に比べ少ないものと思われます。処方せん枚数により薬剤師の配置人数は指定され、薬剤師個々人のキャリア、能力差は無いものという前提で規定されています。

 全国的に薬剤師の需給バランスは概略均衡がとれていると思いますが地域によってはまだまだ需給格差は著しいものがあります。特に地方都市においては医師の偏在化と同様薬剤師も供給不足で数的に充足していない地域が未だたくさんあります。

 当社にあっても第一号店を島根県益田市に開設しようとした時の薬剤師不足は大変なもので苦労して確保したことを思い出します。

 常々思うのですが、調剤薬局の経営とプロ野球の球団経営は似ている気がします。プロ野球界で現場のプロ選手と球団フロントが組織運営方法につき温度差、ズレが恒常的に有る様に、調剤薬局の業界においても、一人のオーナー薬剤師が一店舗を管理運営していく場合を除き、国家資格者としての高い自負を持った薬剤師と経営の間にはある意味埋められない意識の溝がある様に思います。この根本的な問題を解決する方法があるのでしょうか。大規模なチェーン薬局では会社の存在感、ネームバリューにより大量採用の上色々な人事施策をすることにより解決可能かもしれません。しかしながら、数店舗薬局を保有し薬剤師の人材確保に躍起になり、採用出来ないと会社の屋台骨に響く経営者にとって両者がお互いにWIN-WINの関係を築くにはどうしたらいいのでしょうか?